鶏口牛後な日々

心の赴くまま、やりたいことを仕事に。

エメラルドグリーンの竹に魅せられて(青竹の油抜き)[竹細工]

竹を材料にしてランプシェードを作ってみたい、と思い、竹誰かくれないかな(その辺いくらでも生えてるし)と思っていたら、竹林を管理している方を紹介してもらったのが昨年10月。

竹炭の製作や、竹の伐採などみんなでやる作業は手伝ってね、という条件で、切った竹は材料にするためにもらってもいいと言ってもらった。

 

竹細工というのは、籠やざるなど身の回りの日常で使える小道具を竹ひごで編んだものや、竹それ自身を加工して徳利を作ったりなど、様々あるらしい。

実際にやっている人に聞くと、籠やざるは確かに綺麗に編むのは熟練が必要だが、手順通りにやれば一応形はできるものらしい。

難しいのは、その材料となる竹ひごを綺麗に作ることで、これには1年は少なくともかかる、とその人は言っていた。

また竹の種類もいろいろあって、竹細工を作るのは、節の間が長い真竹(まだけ)という種類が良いらしい。

筍が美味しく、日本に多いのは孟宗竹(もうそうちく)という種類らしい。

竹をもらえることになった場所は、基本孟宗竹だったが、竹炭の会の会長さんが、竹細工をやるのに悪くなさそうな、節の間が長そうな孟宗竹が生えている竹林のオーナーに話をつけてくださり、そこの竹をいただいていいことになった。

竹細工が上達したら、真竹の竹林を持っている方にも話をしてくださると言っていただいた。

・・・なんてありがたい・・・なんていい竹林の所有者の方々にお会いすることができたことやら。

ただ、真竹をいただけるに達するのはいつになるのやら、

とりあえず今はあまり欲張らず、まず一本いただいた孟宗竹を使って、竹ひごチックなものを自作してみて、作りたいものをダイレクトに作ってみる戦法で行くことにした。

 

とはいえ、竹をいただいて、なんとか持ち帰ったはいいものの、

コンロで竹の油抜きをやってみようとは思うが、時間のあるときにやってみよう、と思いつつ、後回しになって1,2ヶ月が過ぎていました。

その頃たまたま出会って仲良くなった友人が、雑貨のデザインを手がけていた人で、自分でも粘土の作品を作っている人で、竹の話をしたら、竹細工やりたい! ぜひ油抜きもやってみたい! と言ってくれたので、これは良い機会とばかりにその場でスケジュールを決めて、昨日油抜きを決行したのであった。

 

ただ、なんとも春の桜が咲き始めのこの頃、春の嵐といわんばかりのビュービューすごい風が吹き荒れていて、カセットコンロの火は点くかどうか心配した。

なんとか周りを倉庫にあった板やらレンガやらプランターやらで囲い、ガスの減りが早ことは諦めて竹を炙りを始めた。

 

なんとなく調べたり、実際にやっている人の動画をちらりと見たことがあったくらいだったので、一体どうなった時にどうすればいいのか、ほとんどよくわかっていなかった。

「油抜き」という言葉からして、「炙ったら油が浮いてきて、それを乾いた布で拭けばそれでいいんではないだろうか」くらいに思っていた。

実際に竹とコンロの火に向き合う段になると、もう少しちゃんと調べていればよかったかなーと不安がよぎる。

燃やすわけで、不可逆な化学反応なのだから、失敗したらおじゃんになってしまう。

竹は今回は1本もらってきたのみだしな・・・とか考えている間も無く、着火。

友人がわざわざきてくれたということは、良くも悪くも待った無し。ままよ!

 

あ、おや? これは油では?? なにやらツヤツヤしてきた。

お、これを拭き取るのだ! そうだ!! 

・・・ほんのり感動。 

 

あれ? ちょっと炙りすぎたんじゃない? ここだけちょっと白くなってる。

あ、ほんとだ、気をつけないとだね。

・・・

・・・

・・・

あれ? この薄い緑色に色が抜けるのが、もしかして正しい状態では??

おお! そうだ!!! うおー、そういうことか!!! (二人でかなり感動)

 

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そこからは、ひたすらかなり興奮して、炙って、油を浮かして、拭き取るを続けていきました。

油は、じんわり浮いてきて、表面がキラキラしてくる。

それを拭き取るときに、表面についていた汚れもきれいーに拭き取れるので、吹いたところはピッカッピカになる。

これが、かなり気持ちいい。

そして、さらにじーんわり炙ると、よーく見ていると、プチプチと小さな点が広がっていくように、色がエメラルドグリーンに変わっていく・・・

(!!! 静かに感動 !!!)

 

これ、めちゃめちゃきれいです。

かなり脳裏に焼き付きます。

そして恍惚感を伴うクラスに楽しいです。

 

くるくると回しながら満遍なく炙る、拭くときも乾かないうちにさっさと拭くなど、だんだんと手つきが慣れてきて、うまくなっていく感覚も楽しい。

作業自体は、思っていたよりも時間はかからなかったが、2mほどの竹を全部油抜きしてきれいでピッカピカのエメラルドグリーンに仕上げるのに1時間ほどかかったかと思う。

楽しすぎたのと、友人と話しながら作業したので、時間はあまり気にならず。

 

終わった後のbefore→afterがわかりやすいように並べてみました。

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元の青竹もきれいな色だなぁと思いますが、やっぱり油抜き後のピカピカのエメラルドグリーンが美しすぎる・・・

これは乾かすとだんだんと薄い黄色に近い色に落ち着いていく(はず)です。

それまでは玄関のオブジェとして、立てかけつつ、毎日眺めようと思います。

 

あと半分残っているので、来週やるのが楽しみでなりません。