鶏口牛後な日々

心の赴くまま、やりたいことを仕事に。

「空き家を買って不動産投資で儲ける」読後メモ・感想

目次

  1. 基本情報
  2. おおまかな内容紹介
  3. 個人的な感想
  4. おすすめしたい人とおすすめ度合い

1.基本情報

「空き家を買って不動産投資で儲ける」、三木章裕、2015年、フォレスト出販 https://amzn.to/3B9DOza

Audible(Amazon.com)のクレジット消費にて視聴しました。2024年9月頃に、不動産投資をやろうと決意してとにかく半年ほどで40冊くらい読もうと決めてから読んだ2冊目です。「空き家」「不動産投資」とかで検索して出てきたので選びました。(ちなみに、日本のAmazon.co.jpでは執筆当時確認したところ、オーディブルの「読み放題」対象です!)

2. おおまかな内容紹介

まず、著者さんが本のタイトルどおり、「空き家を買って不動産投資で儲けましょう」と提唱するに至った経緯として、著者さんのこれまでが紹介されます。大阪の商人、不動産業の家に生まれ、バブル前にはしこたま稼ぎ、かなり贅沢な経験をしたそうです。そして迎えたバブル。持っていた不動産は差し押さえられ、賃貸収入のある不動産を持っていた親戚の助けでなんとか生き延びました。不動産で酷い目にあったけれど、また助けられたのも不動産だったのです。そして、何度災難に見舞われようとも立ち上がってきた大阪の商人の教えを思い出し、再起を誓ったのです。そして、より大家の目線に立った管理業務を始め、大家さんにも喜ばれ、自分も嬉しいという業態をつくりあげます。その後も、周りを利することは自分を利することなのだと気付きを得て、大家に嬉しい情報を提供したり、不動産投資に関する相談を受けたりするようになりました。空き家を相続したが手に余るという相談が持ちかけられ、賃貸収入を得るアドバイスをしました。誰しも気付かない宝を持っているはずだ、これに気付けば富を得ることができる、という古い言葉を引用し、この「宝」とは相続する空き家だ、といいます。

空き家を相続し、手に余るのでどうすれば良いか、という相談について、著者がどのようにアドバイスし、大家さんがそこから富を得るに至ったかという事例がいくつも紹介されています。中には、相続して売ろうと思ったら制度改正により売れない物件だったという事例や、かなりの築古戸建で到底売れそうになくて相談に来たという事例など、一見難しそうなものも紹介されています。

3. 個人的な感想

先述した通り、著者の三木さんは元から不動産会社を営んでおられた方で、バブル後は管理業を始められました。 管理報酬として10%をもらうことで、10件管理すれば一軒分の家賃を得るビジネスをされています。つまり、大家さんがたくさん物件を買って、管理を任せてくれれば儲かる立場です。一方で、大家に対しては、指導やメンターなどをやっている模様です。本の中でも、投資セミナーで大家になりたい人に声をかけたという話もありました。

私は、大家になって賃貸業をしていこうとして勉強のために目下多読をしている立場です。そういう人からすると、大家に利する仕事ではあるものの、厳密には大家ではないという点は考慮しておくべきかと思います。ご本人の志として、周りを幸せにすることで自分も幸せになる、というようなこと(正確な表現は忘れましたが)が記されていましたので、騙すようなことはしないと思いますが、大家としてのリスクを取る同士ではないということは頭に置いて読むべきかと思いました。

個人的にこの本で得られた1番の学びは、空き家は築年数が経っていても賃貸物件としてそこから収入を得ることが十分に可能であるということです。私も、まだ直ぐでは無い将来に、私かまたは兄弟が父母の家を継ぐ予定があるのですが、これが十分に収益化できそうだとわかり、かなり有益でした。

一方で、扱われている事例の登場人物は、いわば全くの不動産の素人であるため、空き家を活用して得るキャッシュフローの率がかなり低いと感じました。並行して読んでいた戸建て投資の本では、リフォームを自分で行なったり、とにかく安めの物件を探して買ったりといった工夫をしているため、購入直後から得られるキャッシュフローの額がこの本の事例よりかなり高かったです。この本に書かれていた具体例には、8年の融資で、返済までの期間はキャッシュフロー月1.6万を得るというのがありました。他の本では自己資金を投入し、リフォームも自分でやるなど原価を抑え、月キャッシュフローを15%以上にする事例も多く見られました。

この違いがどこからきたかというと、この著者に相談した人たちの多くは、知識や力のないタイミングで著者の下に相談に訪れていたんだと思います。なので、自分で本を読み漁ったり、セミナーで勉強しまくったりしていて、すでに知識のある人や、とにかく上手く活用してやるぞ!という気概のある人であれば、この本にあるよりも高いキャッシュフローを得ることも十分に可能だと思います。 不動産を相続したがやり方もわからないしさっさと厄介払いで売ってしまいたい、といった不動産投資超初心者の人には、この本は目から鱗を落としてくれる本であり、おすすめしたい本だと言えます!

なので、私がやる場合はキャッシュフローをもう少し高めに初期から取れるよう、様々な工夫を実践したいと思います。 8年で、銀行の資金借り入れを用い、自己資金ほぼなしから800万の資産がゼロから作れるという紹介されていた例は、ないよりいいかもしれないですが、私は来年始めるときにはまずは自己資金の投入から始め、最初からキャッシュフローを生み出すようなやり方でできるようにしたいと思います。

以下、細々と印象に残った点、学びになった点を紹介します。

  • 古家には、古い家の特徴を生かしたリフォームでないといけない。 →なるほどと思いました。全部新築マンションのように綺麗にするのではなく、古くても味がある造りなどを生かすのです。 大阪の人なので、大阪の会社だと思いますが、カラーズバリューという古家専門リフォーム会社が紹介されていました。

  • 35歳から現金で200万の物件、200万のリフォームで賃貸して売上を貯め、それで次の物件を買うということを繰り返して行くと、60くらいで資産一億達成できるよ。→やってみよう! と思いました。

  • 法人化すべきか?という点で、2000万の収入だと、累進課税で50%もとられる。累進課税は知っていますが、明確な数値は実は初耳でした。これくらいの売り上げ行くようになれば、法人化して、所得の分散は必須だと感じました。具体的には、家族を従業員として、給与を出す。家族の会社に管理委託する、借上させるという手法もあるようです。 これだと今すでに何人かの仲間と仕事をするために作った会社があり、そこでできるか?と思いましたが、買い付けの時の融資は、法人化していない場合自分以外の連帯保証人を出さないといけないし、その辺を仲間との会社でやりだすと面倒な気がしました。所得の分散するほど稼ぐのはまだ先な気がするのですが、やはり一つは法人を作らなくてはいけなさそうと思いました。

  • カラーは大事→北向きの部屋は体感寒く感じられるので、カラーは暖色系、南向きの部屋には寒色系を選ぶなどでガラッと雰囲気が変わるそうです。大家検定でそういうのがわかるらしいので、実際にやることになったら取ってみたいです! アパートの敷地内に花を咲かせることで管理の行き届いていることが近所にもわかる、と言ったことも、手間はかかるけれど効果的そうです。花をたくさん咲かせて長持ちさせると、防犯効果もある、内見の時女性に特に効果的なのだとか。これは、土が良くないとダメで、10キロ1000円くらいのいい土を使うと半年くらい花を咲かせてくれるそうな。えらく細かく数字まで出されていたので、強い想いがありそうです。 「目に映る、全てのことはメッセージ(荒井由実)」という言葉と一緒に紹介されていて、ユーモアだな〜と思いました笑

  • 家賃相場はインターネットで簡単に調べられる。→ホームズ家賃相場情報、などあり、五段階で内装と家賃を一覧化、中の上の部屋に、中の下の家賃とするのが勧められていました。安すぎる家賃にしてはいけない。内覧のために、大家からの手紙を置いておく。入居者への真心が絶対必要とありました。ここで紹介されていた、大家から入居者への手紙の文面が、一言一句に至るまで真心にあふれた言葉のチョイスになっていてとても良いと思ったので、そのまま紹介させてもらいます。

ご内見ありがとうございます、この度はマンションをご覧になっていただいたわけですが、いかがでしたでしょうか? お客様のご要望は千差万別ですから、当然、気に入っていただいた点、またご希望に沿わない点、いろいろあったことかと思います、しかし私共ではできる限りお客様のご要望を反映させてより快適にお過ごしいただけるよう、日々努力することを信条としております。もしご入居の条件などご要望がありましたら、お気軽にお問合せください。大家〇〇

また、内装などは自己満足になっても意味がないので、入居者の要望に基づいて、入居者目線になって投資しましょうとありました。独りよがりにならないよう、定期的にアンケートをとると言いそうです。

最後に、この本は娘15,18に宛てて書いた遺言です、と書かれていました。 貯めては投資する、をコツコツ繰り返すこと。 世の中には、ビジネスで稼ぐ人、お医者さんやファンドマネージャーなど高い技術で稼ぐ人もいるが、一握りの人以外は平凡な暮らしをしている。それでも、働いて貯めて投資するサイクルを続ければ豊かになれる! 時代によって投資対象は変わる。本田静六さんのときは株や山林が投資対象だった。不動産は普遍的な投資対象。資産家になるのに大きな野望はいらない。黙々とやること!子供にはお金を残すのではなく、資産作りの術を残したい。 →その通りだと思いました。私も現金を残すのではなく、生きる術を子供たちに教えたい。背中を見せることもそうだが、ちゃんと言葉で、実演で、参考図書なども含めて教えたい。そのためには、今からやろうとしている不動産投資、その他のビジネスなどについて、ちゃんと書き残し、本などにまとめる作業をしたいと思いました。一つやりたいことが増えました!!

4. おすすめしたい人とおすすめ度合い

不動産賃貸業に全く詳しくなく、相続など外部の要因で空き家を手に入れた・手に入れる予定の人に、特におすすめしたい本です。

その人たちへのおすすめ度合いは

5★★★★★ です!

自分で勉強しつつ空き家や築古戸建を買って、賃貸していこうとする人にも、勉強になる内容が散りばめられています。 その人たちへのおすすめ度合いは、

4★★★★⭐︎

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個人的には、オーディブルで聴くのがおすすめです。私は耳でのインプットが合っていたようで、ナレーターさんが読んでくれている声と共に記憶されるので、内容を思い出しやすいです。また、隙間時間に少しずつ聞けるため、机に座って「いざ!」と思わなくていいので本を読むハードルがグッと下がります。私は車に乗っている時、買い物中、散歩中、家事中に聞いています。

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